研究活動|名古屋大学グローバルCOEプログラム|テクスト布置の解釈学的研究と教育

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研究活動

オープンレクチャー

第1回オープンレクチャー

2007年10月17日(水)18:00~
佐藤 彰一 教授(名古屋大学大学院文学研究科・グローバルCOE拠点リーダー・西洋史学)
『封建制概念のテクスト論的脱構築のために』

<内容概略>

「封建制」と呼ばれる社会体制についての認識は、広く人口に膾炙し、もっとも日常的な歴史用語の一つであろう。同時にまたその親しみ易さのゆえに、誤解されている面も少なくない。それは歴史学に関わりをもたない一般人だけでなく、歴史学や社会経済史の専門家にまで及ぶ側面をもっている。そして厳密に言えば、この体制が社会の現実であった12、13世紀に誤解は胚胎していたことが考えられる。今回のレクチャーは、11世紀末から13世紀中頃にかけて編まれた私撰の法書『封建法書Libri feudorum』に発し、これへの16世紀の人文主義者の再解釈、18世紀の啓蒙思想家の見解、カール・マルクスの一連の著作を経て、1939-40年のマルク・ブロックの『封建社会』の刊行にいたる「封建制」概念の流布の系譜をたどり、これらすべてを封建制のメタテクストとして脱構築する研究計画の概要を紹介した。中世西欧で現実に実践されていた「封」や、「封」授受の行為を当時最新の知識であった「復活されたローマ法」を、ローマ法学者たちどのように駆使して、それらを法学的に構築したか、その際、どのような布置構造が生成したかを、幾層にもわたる解釈学的操作により解明するのが今後の課題である。

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