研究活動|名古屋大学グローバルCOEプログラム|テクスト布置の解釈学的研究と教育

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研究活動

オープンレクチャー

第2回オープンレクチャー

2007年11月14日(水)18:00~
釘貫 亨 教授(名古屋大学大学院文学研究科・日本語学)
『日本人と漢字』

<内容概略>

漢字は、中国から伝来したのであるから日本人にとって外国の文字である。漢字によって日本の土地や人の名を表すのに、音読みを借用して日本語音節を転写する仮名用法(能登、伊勢、麻呂など)が奈良時代以前に開発された。ここから平安時代に平仮名、片仮名が創出され、日本独自の文字が生まれた。漢文は依然として知的文章に使われたが、鎌倉時代以後、仏教僧が民衆教化のための文章に漢字片仮名文を用いた。漢字には多くの場合、振り仮名が付けられて、漢字が仏教を媒介にして大衆社会に流出し始めた。この趨勢は、中世社会を一貫したが、近世期には世俗的な娯楽本が数多く出版され、ここにも漢字に振り仮名が付された。その教育効果によって社会に漢字情報が浸透し、19世紀後半の日本は、世界に類例のないリテラシーの高さを実現した。漢字によって、押し寄せる西洋の科学、思想、制度の諸概念を翻訳できたことが日本の近代化に大きく貢献した。

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