教育|名古屋大学グローバルCOEプログラム|テクスト布置の解釈学的研究と教育

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教育プログラム

テクスト布置解釈学

第8回「テクスト布置解釈学原論」授業

2007年11月21日に第8回「テクスト布置解釈学原論」の授業が行われました。

担当:名古屋大学大学院文学研究科 和崎 春日 教授(比較人文学)

<授業要約>

「テクストを読み取ること」を、時間軸をいれて「読み取れる意味の変化」として捉えていく動態的な意味の読み取り方法論を提案する。まず、日本で社会化・文化化された私が、そこの価値基準を知らないアフリカを始めて訪れ、徐々にその生活様式に慣れていく変化を、「テクスト動態」として取り扱う。こうテーマを設定することによって、刻々と変わっていくテクスト間の布置関係が動態的に把握できるからである。
異文化に住み始めた文化人類学者は、始めのうち、自分が慣れ親しんだコンテクスト-テクスト関係による意味の読み取りを試みるしかない。そこのコンテクストもテクストもまったくわからない。言葉の一つ一つを獲得していき、ある物ある事の意味を教わると、生活事象全般の意味が一つ一つ明らかになっていき、自分が知りたい事象の意味(たとえばある儀礼の意味)の一端が見えてくる。この間、何回もの読み間違いと齟齬と誤解(相互の)とタブー侵犯をおこなう。周りの事象の意味が一つずつわかると、ある対象とする特定事象の意味も段階的にわかってくる。その事象が見えてくると、周りの意味も以前とはまったく違うものに見えてくる。これを、何度も何度も、毎日毎日繰り返す。
こうして、単なる静態的なテクスト変換の布置ではなく、このように時間軸をいれて刻々とフェーズを変える「複数テクスト遷移モデル」が人々の行為や物事の「読み取り」には、枢要であることを提案する。しかも、このモデルは、コンテクストとテクストの地位逆転可能性を包摂したモデルである。つまり、生活にある物事の意味は、主役になって注目され意味を読み取られるが、逆にそれが脇役になって他の事象の意味を規定する。こうして、「コンテクスト-テクストの相互変換性」を包摂した「複数テクスト遷移モデル」の有効性を提案したのである。

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