研究活動|名古屋大学グローバルCOEプログラム|テクスト布置の解釈学的研究と教育

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研究活動

オープンレクチャー

第6回オープンレクチャー

2008年3月19日(水)18:00~
小川 正廣 教授(名古屋大学大学院文学研究科・西洋古典学)
『アテネ国立考古学博物館にみるギリシア神話』

<内容概略>

小川正廣「アテネ国立考古学博物館にみるギリシア神話」

 ギリシア神話の古典テクストは、紀元前8世紀のホメロスの叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』を嚆矢とし、その後ローマ時代にいたるまで繰り返し再創造されたが、神々や英雄などについての主要な要素は、すでにホメロスにおいて形成されていた。このレクチャーでは、ホメロスのテクストを歴史的コンテクストの中にどのようにして布置することができるのか、主にアテネ国立考古学博物館の考古・美術資料を見ながら考えてみる。

 まず、トロイア戦争の神話的題材そのものは、今日明らかにされたミュケナイ文明の様相と重なり合うことがわかる。一方、テクストの歴史的生成については、文字に関する考古資料などからは十分解明できない。それは、ホメロスのテクストが無文字文化を背景とする口誦詩の伝統にもとづいて成立したためである。最後に、現存のホメロスの文字テクストの中から、どのようにして無文字文化の創作プロセスを読み取ることができるのかを探る。

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