研究活動|名古屋大学グローバルCOEプログラム|テクスト布置の解釈学的研究と教育

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研究活動

研究員ブリーフィング

第5回ブリーフィング

2008年4月25日に第5回グローバルCOE研究員ブリーフィングが
名古屋大学文学研究科グローバルCOEオフィス(名古屋国際センター)にて開かれた。

西村 善矢 研究員
『中世初期イタリアの証書(カルタ)とその利用
--テクストの内側と外側--』

[2008年4月25日第5回ブリーフィング報告要旨]

<西村発表レジュメ>
 中世初期イタリアで大量に産出された文字テクストの一つに、カルタ(charta)とよばれる証書、すなわち土地財産の権利移転にさいして作成された「私文書」がある。カロリング時代のカルタを特徴づけるのは、その形式が高度に構造化している点、そしてその契約類型が売却、贈与、交換、貸借とわずか4種類に限られる点である。定型的で種類の乏しい証書は、当時の人びとのさまざまな社会的、経済的要請にいかに応えることができたのであろうか。
 羊皮紙に書かれた証書テクストの下には、定式化されたテクストの枠内では盛り込むことのできない情報を記すことがしばしばあった。このような、狭義の意味でのテクストの外側にある部分に注目することが、上記の文書利用をめぐる問題を解く手がかりの一つとなるように思われる。8世紀から11世紀の南トスカーナで作成された証書を素材として、テクストの内側と外側にあるものの関係を見極めること、それが今後の私の課題である。

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